2015年7月25日土曜日

門倉貴史氏著「本当は嘘つきな統計数字」を読んで初めてすごい方だと実感しました!!

 




 ブックオフで適当に本を漁っていたら偶然目に止まり購入。
 筆者はほんまでっかTVでボケキャラとして人気の門倉貴史先生である

↑ボケキャラとしてさんまにいじられまくりの門倉先生

 筆者は慶応義塾大学経済学部卒。(株)浜銀総合研究所に入社し、(株)第一生命経済研究所主任エコノミストなどを経て、BRICs経済研究所代表を務めるという「言葉だけ聞いてれば多分凄いんだろうけど、凄すぎて何が凄いんだかよくわからない」の日本代表候補である。実際問題、なぜバラエティ番組に出演しているのかもよくわからない。

 本の内容だが、この本は全6章
  1 「数」「選び方」次第で白にも黒にもなる
        2 数えられないものを無理矢理数える
        3 「気の持ちよう」で決まる数字の意味
        4 「科学的」という言葉がヤバい
        5 「調整」という名の情報操作
        6 はじめに結論ありきで試算
                        で構成されている。

 第1章では「美人の数をアンケート調査すると、東京が上位に来るのは何故か?」
という短に感じるテーマから始まり、何故そのような結果が出るのか?アンケートの結果の方よりはどこから生じるのか?といったアンケート調査の不確実性をわかりやすく教えてくれる。この章では日常生活に綿密に関係するテーマが多く、非常にとっつきやすい。難しいと拒否反応を示しやすい統計学に対して、超初心者向けのアプローチと言えよう。



 ↑日本三大美人な博多美人、京美人、秋田美人
 


第2章以降では「野生動物はどうやって数えているのか?」「全国の初詣客は何人か?」といった一つ一つ数えるのが不可能な行為に対して、どういった対処がなされているか解説されている。これには私も驚かされることが多く、中でも「東京ドームの定員は4万6314人なのに、満員時は5万6000人と公表していた」という話は初耳だった。どうやら10年前までプロ野球では観客動員数の水増しは日常的に行われていたらしい。1年毎の観客動員数グラフも掲載されていたが、ちゃんと数え始めた2005年からガクンと落ち、セ・パ両リーグ合わせて約400万人の水増しがあったことが分かる。

 この本の魅力的なところはベイズ統計学、フレーミング効果、オーバーコンフィデンス等、難しい理論が実例を元にわかりやすく説明されている点である。これらを詳しく説明することによって、日常生活でも統計学を生かすことを証明することに筆者は成功している。最後の方に、経済効果や試算に関する問題点が取り上げられるが、そこをよく読めば、新国立競技場のデザイン・建築試算失敗問題もわかりやすいかもしれない。